まなびの目標🎯
・現実世界の事象を単純化して捉えるモデル化について理解する。
・様々なモデルの種類について知る。
・モデルを使って模擬実験を行うシミュレーションの役割と重要性を理解する。
・確認テストで学びを復習!
1. 現実世界を単純な形で表現する:モデル化
1.1 モデル化とは
1.2 モデルの表現方法
2. いろいろなモデルの種類
2.1 時間で変化するか?(静的モデルと動的モデル)
2.2 結果は決まっているか?(確定的モデルと確率的モデル)
3. モデルを動かすシミュレーション
3.1 シミュレーションの役割
3.2 シミュレーションの事例
4. まとめ
5. 確認テスト
1. 現実世界を単純な形で表現する:モデル化
1.1 モデル化とは
天気予報、新作ゲームの開発、電車の運行計画など。
これらは、複雑な現実世界の現象を理解しやすくするために、モデル化という考え方を使っています。
モデル化とは、現実世界の様々な物事から、注目したい大事な要素だけを抜き出して、単純な形(モデル)で表現することです。
例えば、電車の路線図は、実際の線路の細かいカーブや駅の大きさは無視して、駅という点と線路という線だけで表現されます。これも、利用者が目的地までのルートを理解するという目的に合わせて、現実の鉄道網を単純化したモデルです。
1.2 モデルの表現方法
モデルは、その目的によって様々な形で表現されます。
・物理モデル: 模型飛行機や住宅模型のように、実物を模した形で作られるモデルです。大きさや形を直感的に理解するのに役立ちます。
・論理モデル: 物事の関係性やルールに着目して表現されるモデルです。
ー 図的モデル: 電車の路線図やフローチャートのように、図やグラフで関係性を示します。
ー 数理モデル: 現象を数式や方程式で表現します。天気予報では、大気の動きを複雑な数式(数理モデル)に落とし込んで、未来の天気を計算しています。
2. いろいろなモデルの種類
モデルは、その性質によってさらに分類することができます。ここでは2つの視点で見てみましょう。
2.1 時間で変化するか?(静的モデルと動的モデル)
・静的モデル: 時間の経過によって変化しない、ある一時点の状態を表すモデルです。住宅の模型や、ある日の交通量マップなどがこれにあたります。
・動的モデル: 時間の経過とともに状態が変化していくモデルです。天気予報のモデルや、経済の変動を予測するモデルなどが代表例です。
2.2 結果は決まっているか?(確定的モデルと確率的モデル)
・確定的モデル: 入力する条件が同じなら、常に同じ結果が返ってくるモデルです。例えば、自動販売機に「130円を投入し、ジュースAのボタンを押す」という条件を与えれば、必ず「ジュースAが出てくる」という結果になる関係性などがこれにあたります。
・確率的モデル: 偶然の要素が含まれるため、同じ条件でも実行するたびに結果が変わる可能性があるモデルです。例えば、サイコロを1回振るという条件は同じでも、出る目が「1」だったり「6」だったりと、結果は確率によって変動します。
3. モデルを動かす:シミュレーション
3.1 シミュレーションの役割
シミュレーションとは、作成したモデルを使って、現実そっくりな模擬実験をコンピュータ上などで行うことです。
現実の世界で何かを試そうとすると、危険、高コスト、時間がかかる、といった問題が生じることがあります。シミュレーションは、こうした問題を解決する強力なツールです。
◆シミュレーションの役割
・安全: 飛行機の操縦訓練や、災害時の避難訓練、自動車の衝突実験など、現実で試すと危険なことを安全に実験できる。
・低コスト: 建物の耐震実験、製品の設計時の性能テストなど、実験にかかる高額な費用をカットできる。
・時間短縮: 何十年もかかる都市開発計画の影響や、気候変動など、長い時間がかかる現象を短時間で予測できる。
このように多くのメリットがあるため、シミュレーションはあらゆる分野で活用されています。
ただし、その予測の正確さは元になるモデルの質に左右されるため、より現実に近く、より適切なモデルを使うことが非常に重要になります💡
3.2 シミュレーションの事例
・天気予報: 大気の動きを数理モデル化し、スーパーコンピュータで未来の状態を計算(シミュレーション)することで、これからの天気を予測しています。
・交通計画: 新しい道路を作った場合に、周辺の交通渋滞がどう変化するかをシミュレーションし、効果を事前に検証します。これは確率的モデル(いつ、どの車が通るかは確率的)の一例です。
4. まとめ
・モデル化とは、現実世界の物事を、大事な要素だけを抜き出して単純な形で表現すること。
・モデルには、物理モデルや論理モデル(図的モデル、数理モデル)といった表現方法や、静的/動的、確定的/確率的といった性質による分類がある。
・シミュレーションとは、モデルを使って模擬実験を行うことであり、安全性やコスト、時間の面で大きなメリットがある。
5. 確認テスト
Q1. 電車の路線図のように、現実世界の物事を単純な図や数式で表現することを何と呼びますか?
- シミュレーション
- モデル化
- プログラミング
正解!
不正解!
モデル化
ヒント:単純な形(モデル)にすることです。
Q2. 天気予報のように、現実の現象を数式や方程式で表現したモデルを特に何と呼びますか?
- 図的モデル
- 物理モデル
- 数理モデル
正解!
不正解!
数理モデル
ヒント:コンピュータで未来の数値を計算したり、予測したりするのに使われるモデルです。
Q3. 経済の変動予測のように、時間の経過とともに状態が変化していく様子を表すモデルの分類は何ですか?
- 動的モデル
- 物理モデル
- 静的モデル
正解!
不正解!
動的モデル
ヒント:「静か」の反対は「動く」ですね。
Q4. コンピュータ上で作ったモデルを動かして、自動車の衝突実験や災害発生時の状況などを模擬的に試すことを何と呼びますか?
- モデリング
- シミュレーション
- プロトタイピング
正解!
不正解!
シミュレーション
ヒント:モデルを使って模擬的な実験を行うことをいいます。
確認クイズは、いかがでしたでしょうか?今回の学習内容が、皆さんの情報活用能力を高める一助となれば幸いです。閲覧いただき、ありがとうございました!
※本記事 教科書該当範囲
教科書名 | 該当章 |
新編情報Ⅰ(東京書籍) | 3章 29. モデル化とシミュレーション |
最新情報I(実教出版) | 第5章 3節 1. モデル化とシミュレーション |
高校情報ⅠPython(東京書籍) | 第5章 29. モデル化とシミュレーション |
本サイトは、教科書をベースに構成しています。使える「情報Ⅰ」を目指し、毎週新しい記事を発信予定です。



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